Greetings
ごあいさつ
天才はある特定の地域に集中して現れ、天才を生み出す土地の第一の特質は「美の存在」である、と「国家の品格」の著者である藤原正彦さんは述べています。
大学新聞:知の架け橋(2018年7月1日)
天気の良い日、私は研究室のあるバイオテクノロジーセンターから眺める阿蘇山の美しさ・雄大さに度々目を奪われ、また嵐の日には大自然の爆発的エネルギーに驚き、「阿蘇のいじわる・・」と、ちょっと嘆きます。そして、本当に自分がやるべきことについて沢山のインスピレーションを大自然からもらいます。ヒトが健康的に生き続けるためには、肉体的のみならず精神的にも健康を維持することが必要ですが、応用動物科学科の先生によると、動物も同じで精神的ストレスがかかるとすぐに健康に影響がでてしまうそうです。国立公園内に位置する美しい自然に囲まれたこのキャンパスで、ヒトを含めた動物の肉体的・精神的な健康維持に貢献できる研究を行いたいと思っております。
研究内容
本研究室では加齢関連疾患である生活習慣病に焦点を絞り、
(1)肥満に伴う脂肪細胞の機能障害機構および食品成分を用いた改善効果
(2)糖から生成する老化物質であるAGEs(Advanced Glycation End-products)の代謝マーカーへの応用および生成抑制化合物の探索
(3)食品成分を用いた動脈硬化抑制作用の検討
を行っております。AGEsは糖尿病合併症、骨粗鬆症など、様々な病態の原因と考えられており、臨床マーカーの応用性も検討されておりますが、測定が困難であり余り臨床応用が進んでおりません。我々は液体クロマトグラフィータンデム質量分析器あるいはモノクローナル抗体を作製し、各種病態におけるAGEsの測定と、AGEs生成阻害剤の探索を行っております。また、近年トマト由来の新規化合物であるEsculeoside A(EscA)が動脈硬化を抑制することが動物実験で確認され、現在、EscA高含有トマトを探索し、ヒト介入試験を通して商品化を検討しております。
執筆した教科書・参考書