- 補酵素とは?
- 多くの酵素の中にはタンパク質のみで活性を発現するものもあれば、酵素のみでは活性がなく、活性発現にはある種の低分子の有機化合物を必要とするものもあります。このように酵素作用の発現に必須の低分子有機化合物を補酵素(Coenzyme;コエンザイム)と呼びます。補酵素の多くは”ビタミン”から生体内で作られています。特にビタミンB群やナイアシンでは生体内でさまざまな酵素の活性発現に必要な補酵素として機能します。ビタミンB群やナイアシンの欠乏は補酵素の欠乏を引き起こして、これらを要求する各酵素の活性の低下、ひいては代謝能の減少をもたらします。
- ビタミンB群、ナイアシンの補酵素型の名称と代表的な酵素反応
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ビタミンの種類 ビタミンの補酵素型 関与する酵素反応 ナイアシン
(ニコチン酸)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD) 酸化還元反応 ビタミンB1
(チアミン)チアミンピロリン酸(TPP) アルデヒド基の転移 ビタミンB2
(リボフラビン)フラビンモノヌクレオチド(FMN)
フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)酸化還元反応 ビタミンB6
(ピリドキシン)ピリドキサールリン酸(PLP)
ピリドキサミン(PMP)アミノ基転移反応、脱炭酸反応、異性化化反応、脱水反応 ビタミンB12 コエンザイムB12 異性化反応、メチル基転移反応