阿蘇のあか牛シリーズ、これまで原川さん、今川先生、岸浪さん(慶応大)の3人のインタビューが放送されました。
そして今回、あか牛シリーズ最終回となる第4弾は、南阿蘇村であか牛の繁殖農家を営んでいる
山戸将大さん(山戸牧場・東海大学今川研究室卒)と、今川先生へのWインタビューとなりました。
〈山戸さん〉
山戸さんは研修先の畜産農家で、熊本特有の希少価値、放牧、飼いやすさ、コスト面などで魅力を感じてあか牛を飼い始めました。
3頭から飼い始めた牛は、暑さ寒さに強く病気もしにくいため飼いやすく、
就農4年目の現在、南阿蘇の白川牧野で母牛50頭、子牛25頭を飼っています。
山戸さんは、家で飼っている子牛に餌を与え、母牛はもっぱら放牧で、野焼きもいらないくらいに牛が草を食べているそうです。
これからもっと規模を拡大し、人が減って荒れていく放牧地を自分が守れる牛飼いになりたいと思っています。
2年後には300頭を目指しています。
〈今川先生〉
将大は非常に印象深い学生でした。
3年の夏に研究室に入ってきた頃の彼は、怪我で野球ができなくなったことから立ち直れず卒業もできないのでは・・・といった様子でした。
しかし、ラボで論文購読や解釈をミーティングしていく中で、面白いタイミングで面白い質問をしてきて、
鍛えれば大化けするかもしれないと思うようになりました。
更に経営者として力をつけていってほしくて、私が塾長を務める“くまもと経営塾”も勧めました。
彼は叩けば響く、いいセンスをしている。これからその感性を活かしていってほしいものです。
<今川先生~あか牛4回シリーズを通して~>
草原の野焼きによって牧草が生えて、というのがこの数百年繰り返してきたことです。
草原であか牛が草を食べ糞尿をして循環していくこと、この先人たちがやってきたことを科学的に証明し、
次の千年を作っていきたいのです。
東大から熊本の東海大に来るときに、地方大学でしかできないことをやりたい、生産者に役立つことをやりたいと思って来ました。
これから、もっともっと変化していかなければならない時です。
あか牛が少しずつ認知されてきており、解析に新しい技術が入ってこれからデータが出せる時期です。
こういう核を作ることも大学の大切な使命です。楽しんいますよ!!
「ゆっくりのんびりASO大陸」4回にわたる放送で、今川先生の研究の一端がわかりやすく、
そしてダイナミックな人柄が皆様にもよく伝わったのではないでしょうか。
インタビューアーの村岡章子さんはじめ関係者の皆様ありがとうございました。
放送を聴きそびれた、聴いてみたい方は、今川研究室へお気軽にお声かけください。