2020年度
シーエムシー出版より「乳酸菌の機能と産業利用」というタイトルの本が出版されました。
多くの方々に執筆をご協力いただきました。監修者として先に読ませていただきましたが、どの記事も大変素晴らしい内容で色々学ばさせていただきました。執筆者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。また、乳酸菌の機能性をまとめた「乳酸菌の機能性と全身の健康」の章では、大学院生の二人を中心に文献検索をしてもらい文章化してもらいました。自分自身の勉強にもなり、良い経験となったと思います。
監修: 木下英樹, 井越敬司
発行日:2021年3月22日
体裁:B5判・205頁
ISBNコード: 978-4-7813-1594-2
URL: https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=8058
【当研究室での執筆した内容】
「はじめに」
木下英樹、井越敬司
「乳酸菌の機能性と全身の健康」pp.3-14
中島勇貴、覚張孝大、木下英樹
「植物原料を用いた乳酸発酵食品と食品開発」pp.121-130
木下英樹
卒業式が挙行されました
毎年3月19日は卒業式です。去年は新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、今年は人数制限をし、学部ごとに午前午後に分けて感染対策をしながら卒業式が行われました。
卒業式の日は、一年で一番嬉しい日であり、また、寂しい日でもあります。今年は新型コロナウイルスの影響で研究室も入室制限がある中での卒業研究でしたが、みんな頑張って良い成果を残してくれました。
「乗り越えられない試練は目の前に現れない」と私は思っています。そういう意味では今年はそれを乗り越えられる力を持ったが学生が集まってくれたと実感しています。
これから社会人として、大いに自分を表現して、活躍していってください!!
改めてご卒業おめでとうございます!!
今年は新型コロナウイルス対策として、研究室メンバーのみ広い教室で、他の参加者はオンラインで行いました。
対面とオンラインの同時開催で、事前に接続や音声チェックなどを行ってから本番に臨みましたが、少しハウリングする等の問題はあったものの、概ね順調に進行できました。
最初、オンラインではどうなのだろうと心配しましたが、普段参加しない1年生や2年生からの参加も見られ、結果的に例年より多くの方に聴講していただけました。コロナ収束(終息)後もオンラインと併用は行っていきたいと思いました。良い面はどんどん取り入れていきたいと思います。
発表会では多くの質問を頂戴し、今後の研究に大変参考になりました。ご参加いただいた方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
4年生も緊張しながらもしっかりと自分の研究を伝え、立派に発表することが出来たと思います。これから後輩への引き継ぎと、卒論提出が残っていますので最後まで頑張ってください。
多くの4年生にとっては、卒業研究の内容自体は今後の人生にあまり役立たないかもしれません。しかしながら、頑張って努力してきた経験は今後の人生に大いに役に立つと思います。経験を活かして社会で活躍して欲しいと思います。まずはお疲れ様でした。
発表後に一瞬だけ マスクを外して一枚
タイのMaejo大学と東海大学は協定を結んでおり、2019年7月にIsara先生(Dr. Isara Wattananapakasem)が本研究室に短期留学されました。そのときに、Isara先生がご研究されていた湿熱処理した発芽黒米に研究室保有の乳酸菌を添加し、発酵性、抗酸化性、遊離フェノール化合物含量などを試験しました。Isara先生は短期間で非常に多くの成果を挙げられ、先生が事前に研究されていた湿熱処理発芽黒米の特徴と合わせて、論文化し、この度、Journal of Food Science and Technology (IF: 1.946)にアクセプトされました。Isara先生おめでとうございます!
Wattananapakasem I, Penjumras P, Nawong S, Kinoshita H . Effect of heat moisture treatment of germinated black rice on the physicochemical properties and its utilization by lactic acid bacteria. J Food Sci Technol. in press
Isara先生情報(タイ語)
https://erp.mju.ac.th/departmentPersonDetail.aspx?id=633&p=134
当時の様子(2019年7月撮影)
2020年11月27日(金)と28日(土)に日本乳酸菌学会が開催され、28日(土)に大学院生二人が発表しました。今回の乳酸菌学会は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となりました。二人とも初めての学会発表でしたが立派に発表することができました。
20 - S2 - 17
RNA - seq を用いた Lactobacillus casei-Pediococcus グループにおける small RNA の機能の推定
○中島 勇貴 1☆、椎山 愛美 2、浦部 泰平 2、山下 秀次 1,2、安田 伸 1,2、井越 敬司2、木下 英樹 1,2*( 1 東海大院・農、2 東海大・農)
20- S2- 26
牛乳中における乳酸菌と Penicillium camemberti の共生に関する研究
○覚張 孝大 1☆、角替 建斗 2、後藤 浩文 3、小島 公実子 3、山本 恵理 3、安田 伸 1,2、井越 敬司 2、木下 英樹 1,2*( 1 東海大院・農、2 東海大・農、(3 株)明治)
詳しくは学会ホームページをご確認ください。
日本乳酸菌学会2020年度大会
http://www.jslab.jp/contents/conference/2020/11/2020-8.html
2020年10月17日(土)に「第1回フードテックグランプリ」が吉野家ホールディングス本社にて開催されました。今回は第1回で「フードテック元年」と位置づけられコロナ禍の中、安全対策をしながら開催されました。全国から47チームがエントリーし、ファイナリストとして12チームが選ばれました。ファイナリストのチーム(企業または大学)より、食についてのそれぞれのコア技術と今後のビジョンについて熱いプレゼンテーションが行われました。
本研究室のチーム(チーム名:チーズ・乳酸菌研究所)もファイナリストに選ばれ、木下が「大学発機能性乳酸菌活用と新規機能性発酵食品の創出」と題し発表しさせていただきました。大変光栄なことに、日本たばこ産業株式会社様より企業業(JT賞)をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ファイナリストの皆様の発表はどれも面白く、熱のこもった発表に刺激を受けるとともに、色々と勉強させていただきました。コラボレーションできそうな企業様が沢山ありました。
今後、乳酸菌を用いて共同で何か面白いことをやりながら、地域活性化に貢献していければと思っております。
運営にあたられた㈱リバネス様、各企業の審査員の皆様、その他関係者各位に感謝申し上げます。
フードテックグランプリについて
https://techplanter.com/ftg2020/
フードテックグランプリ・速報
https://lne.st/2020/10/19/201017-foodtg2020/
酪農科学シンポジウムで講演をさせていただきました
日本酪農科学主催の酪農科学シンポジウムが信州大学の下里剛士先生を大会実行委員長として開催されました。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となりました。下里先生は乳酸菌研究では先端を走っておられる先生で私の大学院時代の先輩でもあります。今回、そういうご縁で、ムーンライティングプロテインの研究についてお話させていただく機会を頂戴しました。
講演では、ムーンライティングプロテインの網羅的解析、腸管付着因子としての機能、重金属吸着や耐性への関与についてお話させて頂きました。
会長の浦島先生を始め、大会実行委員長の下里先生、実行員の先生方や学生さん、その他関係者各位に心より御礼申し上げます。
信州大学(下里研)
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/agriculture/lab/shimolab/
酪農科学シンポジウム
http://www.jdta.or.jp/jdsa/symposium.html
FEMS Microbiology Lettersにsmall RNAの論文がアクセプトされました
大学院修士1年生の中島勇貴くんが筆頭著者の論文がFEMS Microbiology Lettersにアクセプトされました。本研究は殆ど明らかにされていない乳酸菌のsmall RNAを次世代シーケンスで網羅的に解析し、その機能を推測した内容になっています。培養時間によりsmall RNAの種類や量が違うこと、それにより機能が異なる可能性が明らかとなりました。
Yuki Nakashima, Narumi Shiiyama, Taihei Urabe, Hideji Yamashita, Shin Yasuda, Keiji Igoshi, and Hideki Kinoshita. Functions of small RNAs in Lactobacillus casei-Pediococcus group of lactic acid bacteria using fragment analysis. FEMS Microbiol. Lett. in press (2020)
「としょかん通信ぷらす・あるふぁ」にチーズについての記事が掲載されました
公益財団法人 全国学校図書館協議会が発行している「としょかん通信ぷらす・あるふぁ」に「種類も味も豊富!チーズを科学する」と題した記事を掲載いただきました。
2ページの短い文章ですが、チーズの種類と機能について書かせて頂きました。少しでもチーズについて興味関心が高まれば幸いです。今、沢山のナチュラルチーズが日本でも購入できますので自分のお気に入りを探してみてください。
https://www.j-sla.or.jp/kikanshi/toshokan/
※許可を得て掲載しています
高知県×超異分野学会 フードテックフォーラムで3分間ピッチに参加させていただきました
高知県と超異分野学会主催の「フードテックフォーラム」で研究室の「種菌構想」について発表させていただきました。3分間という短い時間でのピッチはなかなか難しかったですが、以下補足したいと思います。
【期待できること】
・乳酸菌そのものの機能⇒粉にすれば何にでも応用できる
・発酵によって生み出される機能⇒新しい機能性発酵食品の開発
・未利用資源の活用⇒極端な話、雑草を発酵させても良い
異分野コラボで何を生み出せるか、「可能性は無限大」です。
https://hic.lne.st/conference/kochi-food/#1557554457251-2cfcefdb-4200
東海大学公開講座「Let's不思議!」をまとめた冊子に掲載されました
東海大学九州キャンパスでは、教育・研究活動を地域の皆様に還元することを目的に公開セミナー「Let's不思議」を1994年から開催しています。2019年12月には第60回を迎え、記念誌が発刊されました。
当研究室の木下も第59回に「健康に役立つ機能性ヨーグルト」と題し、講演させていただいております。現在、コロナの影響でなかなか実施が難しい状況が続いておりますが、今後ともLet's不思議をよろしくお願いいたします。
「乳酸菌の疑問50」が発刊されました
成山堂書店から日本乳酸菌学会(編)の「乳酸菌の疑問50〜みんなが知りたいシリーズ14」が発刊されました。素朴な疑問に専門家が回答するという一般向けの内容です。当研究室の木下も「Question7 乳酸菌を探すのはどうやるのですか?」と「Question16 ヨーグルトは自分で作れるの?」を書かせていただきました。何かのお役に立てれば幸いです。以下、引用文です。
近ごろ菌活や腸活がブームである。いずれも微生物の働きを利用して私たちの健康に役立てようとする活動のことであるが、中でも乳酸菌はその代表格といえます。現に、特定保健用食品(トクホ)市場の約半分を乳酸菌発酵乳、すなわちヨーグルトが占めています。もともと乳酸菌には整腸作用があることが認められてきていましたが、近年はアレルギー抑制作用、血圧調節作用、感染防御作用なども報告・承認され、乳酸菌の研究や乳酸菌を利用した商品開発が盛んです。
本書は、乳酸菌とはどのような生き物なのかから、ビフィズス菌との違い、ヨーグルトやチーズの作り方、乳酸菌が多く含まれる食品、保健効果、自分に合った乳酸菌の選び方に至るまで、乳酸菌研究の第一人者たちがわかりやすく解説しています。通読すると、乳酸菌が人類にとっていかに身近で有益な存在であるのかが理解できるでしょう。最近は健康面で注目されがちだが、乳製品、漬物から酒造りに至るまで世界中の食文化を豊かにしてきたことも見逃せない部分です。
食文化や健康に興味を持つ人にとっては、ワンランク上の食生活や腸活を目指すうえで有益な一冊であるとともに、専門家や研究者にとっても新たな視点やヒントを与えてくれる一冊です。(成山堂書店ホームページより引用)
https://www.seizando.co.jp/book/9249/
著者名: 日本乳酸菌学会 編
ISBN: 978-4-425-98371-1
発行年月日: 2020/6/28
サイズ/頁数: 四六判/212頁
価格: 1800円(税別)
監修した月刊バイオインダストリーに記事が2つ掲載されました
本日、月刊バイオインダストリー2020年5月号が発刊されました。本号は「乳酸菌の機能と活用」と題した特集記事がメインとなります。本特集では、次世代の乳酸菌研究を担う若手研究者の先生方を中心にお声がけさせていただき、木下が監修させていただきました。各テーマに応じて基礎から応用までを最新の知見を交えてご執筆いただき、かなり読み応えのある内容に仕上がっております。先生方にはこの場を借りて御礼申し上げます。
詳細は下記のリンク先でご確認いただければと思いますが、当研究室では、その中の「乳酸菌の機能性について」と「青果物の発酵と食品開発」について執筆させていただきました。
また、「乳酸菌の機能性について」では、現在大学院生の中島くんと覚張くんにも協力してもらいました。自分で書いた文章が世の中の多くの人に読まれるのは良い経験となったと思います。
乳酸菌の活用については益々関心が高くなってきています。
本特集記事が何かのお役に立てれば幸いです。
1.中島勇貴、覚張孝大、木下英樹「乳酸菌の機能性について」
乳酸菌を効率的に活用するために知っておいたほうが良い機能性についてまとめました。
2.木下英樹「青果物の発酵と食品開発」
植物を原料にした乳酸発酵食品と青果物を乳酸菌で発酵した新しい発酵食品の提案について書かせていただきました。
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新年度が始まりました
新学期が始まりましたが、今年は新型コロナウイルスの影響で入学式も中止、春学期の授業は5月からオンラインでの対応となりました。大学としての対応は逐次ホームページ(https://www.u-tokai.ac.jp/caution/detail/post_49.html)で公開されています。研究室もオンラインでのゼミ等をやっていくことになりました。熊本地震からもうすぐ4年ですが、試練はまだまだ続くようです。新年度に入り、オンライン会議などを何度か行いましたが、思いの外問題なく行え、今後の働き方改革にも繋がるのではと期待しています。色んなことが起こりますが、何事も前向きに取り組んで参ります。本年度もどうぞよろしくお願い致します。
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